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はんぽさきの未来の実現に向けて。エーアイスーツケースがにっぽんかがくみらいかんで一般利用を開始

にっぽん科学未来館5階の常設展示のプラネタリー・クライシスの前で、エーアイスーツケースを持つ館長のあさかわ智恵子氏

日本科学未来館(にっぽんかがくみらいかん、以下、未来館)は、未来館などが開発をすすめる視覚障害者向け自律型誘導ロボット「AIスーツケース(エーアイスーツケース)」の一般利用を2024年4月18日から開始しました。

混雑などの館内のさまざまな状況に対応するナビゲーション技術のさらなる向上、社会的理解の促進などを目指すとのこと。
なお、視覚障害者向け誘導ロボットがひとつの施設内で毎日運用されるのは世界ではじめてです。

 

にっぽん科学未来館の外観写真
外観写真

 

AIスーツケース(エーアイスーツケース)とは

視覚障害者を目的地まで自動で誘導するスーツケース型のロボット。

専用アプリの入ったスマートフォンを使用し、画面タッチや声で目的地を設定。ハンドルのスタートボタンを押しグリップを握ると動きだし、障害となるものを避けながら利用者を目的地まで案内します。

おもに画像認識などに人工知能が使われており、歩行者や、どの方向に障害物となるものがあるのかなどを認識しています。2017年から開発が始まり、ついに未来館の館内で一般利用が可能になりました。

エーアイスーツケースの中身の写真。バッテリーなどがぎっちり入っています。現状では荷物はいれられません
本物のスーツケースのなかにバッテリーなどが搭載されています

 

未来館や大型ショッピングモール、空港などの屋内施設だけでなく、2023年1月には未来館から最寄り駅までの屋外ナビゲーションの実証実験をはじめておこないました。

 

2023年9月の実証実験の写真。屋外用のエーアイスーツケースです。どちらもみためは1泊から2泊用の小型のスーツケースです
2023年9月の実証実験の様子。屋内用と屋外用は仕様が異なります

 

未来館での体験方法

来館者が同スーツケースで体験できるコースは、展示をさわりながらひとつの展示コーナーをじっくりめぐるコース、ユーザーが任意に選択した複数の展示コーナーをダイジェストでめぐるコースのふたつ。どちらのコースにするかを受付の際に選択します。

 

エーアイスーツケースステーションにいる、浅川館長とエーアイスーツケースの写真。エスカレーターをのぼって3階にすすみ、ひだりがわにあります
未来館の3階に新設された「AIスーツケース(エーアイスーツケース)・ステーション」。視覚の障害の有無を問わず体験できます

 

体験できるのは、開館している日の10時30分から、13時30分から、15時30分からの3回。各回説明などを含め30分から60分程度。受付は各回、開催時間の20分前から。

3階総合案内横の「AIスーツケース(エーアイスーツケース)・ステーション」で申し込むと利用できます。
視覚に障害をお持ちのかたは、予定している日の3週間前から電話で予約を受け付けており、見守り役として館内スタッフが立ち会ってくださるそうです。

 

「プラネタリー・クライシス」で体験してみた

今回も体験させてもらいました。屋外用モデルの走行と合わせると5回目くらいになります。わたし自身が慣れてきたのももちろんありますが、それを抜きにしても、スーツケースの精度もかなり上がっていました。

エーアイスーツケースの写真。伸縮ハンドルの部分に専用アプリを搭載したスマホがとりつけられています
市販のスーツケースを使用

 

今回は目をとじてスーツケースのハンドルを握り、5階にある常設展「プラネタリー・クライシス」の展示をひととおり体験させてもらいました。
ネックスピーカーをつけて、スーツケースのハンドルを握ります。ハンドル部分にある十字の右方向のボタンを押すと、ネックスピーカーからアナウンスが流れ、なめらかな声でスーツケースの誘導がはじまりました。

 

ハンドル部分のクローズアップ写真。十字ボタンの右あたり、さんじの方向にスタートボタンがあります
ハンドル部分

 

目を閉じて歩くことは日常生活でほとんどありませんが、となりに相棒がいるので不思議と怖くありませんでした。展示ルートでも曲がる前にハンドルが曲がる方向に振動して教えてくれるので「もう少しで曲がるんだな」と心構えができました。

 

ひだりてがわにエーアイスーツケースをもって展示をたのしむ女性の写真
スイスイ歩けました

 

「プラネタリー・クライシス」は、さわれる展示が多いのも特徴。スーツケースから手を離して展示にふれるのですが、慣れていないためか一度ハンドルから手を離すとスーツケースを探すのに若干苦労しましたが、それ以外は問題なくガイドに沿って展示を楽しむことができました。サラッと書いているけれど、これってすごいことです。

 

挙動がまるで人間みたい

体験する前にデモ走行を見せてもらいました。いうまでもありませんが、そのときの気分はもう、子どもの成長を見守る親です。この日はデモ走行の際にちょっとしたトラブルがあり、AIスーツケース(エーアイスーツケース)の挙動がとまってしまう出来事も。

浅川館長がスーツケースとともにエレベーターから降りた直後、たくさんの報道陣に囲まれたときに動きがとまってしまったのです。
その様子はまるで、発表会でたくさんの人から注目され、カメラを向けられて頭がまっしろになりセリフが飛んでしまったかのような…。ここ2年くらいこのスーツケースを追いかけて取材していますが、困っているときの挙動も成長しているようにみえました。最初は明らかに困っているのがこちらに伝わるくらいキョロキョロしていましたが、この日はその挙動すらスマートに感じたほど。

 

ふたたび歩き出したエーアイスーツケースと、浅川館長の写真
大きくなったね

 

発表会までに何度も練習をかさねたそうですが、そのときは途中でストップすることなく動いていたとのこと。聞けば聞くほど、人間のような親近感を覚えてしまいました。

人間だって、たくさん転んで成長します。それはきっとAIスーツケース(エーアイスーツケース)も同じ。これからも小さな失敗をつみかさねて、さらに上手に誘導する技術を習得していくのでしょう。
スーツケース型ロボットとともに展示を楽しむ未来がついにやってきました。この鑑賞スタイルが当たりまえとなる日も、そう遠くないでしょう。

 

日本科学未来館(にっぽんかがくみらいかん)
住所:〒135-0064 東京都江東区青海2丁目3番6号
開館時間:10時から17時(入館券の購入および受付は16時30分まで)
休館:火曜日(ただし、祝日や春夏冬休み期間などは開館の場合あり)、年末年始(12月28日から1月1日)
入館料:大人630円、18歳以下210円
電話番号:03-3570-9151(開館している日の10時から17時)
URL:https://www.miraikan.jst.go.jp/research/AccessibilityLab/AIsuitcase/

 

本文ここまで

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