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にっぽんかがくみらいかんでおとと手で展示をさぐる実証実験

あさかわ館長がデバイスを身につけておれせんグラフにふれている様子の写真

日本科学未来館(にっぽんかがくみらいかん、以下「未来館」)が推進するコンソーシアム型研究室「未来館アクセシビリティラボ」は、空間の特定の位置にひもづけて音声情報を再生する複合現実技術を活用し、視覚に障害がある人の展示体験をサポートする新たなコンテンツを、乃村工藝社と共同で制作し、実証実験を実施しました。

同コンテンツは、自身の位置や動作に応じてメガネ型オーディオデバイスから流れてくる音声にしたがって展示内を移動しながら展示を体験するというもの。

視覚に障害がある人が自立して展示を観覧しながら、展示体験をより楽しむためのテクノロジーの可能性を探り、今後のアクセシビリティ向上につなげることを目指すとしています。

 

「oto rea(オトリア)」を活用

今回、実証実験をおこなうコンテンツは、GATARIの技術協力のもと乃村工藝社が制作する音響体験サービス「oto rea(オトリア)」を、はじめて視覚障害者の展示体験サポートに活用したもの。

センチメートル単位の精度での自己位置を推定し、空間にバーチャルセンサーを設置することでユーザーの位置や動き、向きに合わせて自動的にサウンドを再生することが可能になるそう。

通常の音声ガイドは、ガイドとなる音声を頼りにQRコードなどを自分で探さなければならないことも多いなか、今回の技術搭載によってそのストレスが大きく軽減されることが見込まれます。

 

「プラネタリー・クライシス」の一部を対象に実施

今回の実証実験の対象となるエリアは、2023年11月22日より公開されている新しい常設展示のうちのひとつ、未来館の5階にある「プラネタリー・クライシス」のゾーン2。この展示は、地球環境をテーマとしており、ゾーン2は「変わる地球の今に触れる(ふれる)」というテーマで展示されています。そしてそのネーミングのとおり、このゾーンの展示はさわることができるものが多いのも特徴。

実証実験では約10分のなかで、大きなグラフをさわって世界の平均気温の上昇を実感したり、大きさや重さが異なる木製ボールを比較しながら国や地域別の二酸化炭素排出量のちがいを体感しつつ、変化する地球の今と未来を理解していきます。

 

ゾーン2の様子
未来館の5階にある展示です

 

なんだかすごそうだけど…実際はどうなの?

ここまででもすごそうな技術なのは伝わってきますが、実際はどうなのでしょう。今回は特別に体験させてもらいました。

ごっついデバイスを時間をかけて装着するのかとおもいきや、メガネ型オーディオデバイスと、ネックストラップのついた専用のスマートフォンを首からかけるだけ。あら、シンプル。手をふさぐこともなく、とっても身軽です。せっかくなので、アイマスクをして体験しました。

 

メガネがたオーディオデバイスの写真。みためは一般的なメガネとほぼ同じなので、遠くからみても違和感がありません。なお、メガネフレームにレンズはついていません
メガネ型オーディオデバイスにレンズはついていないので、メガネのうえからでも使えます

 

首からかけたスマートフォンは利用者の位置情報を把握しており、定位置に立つと自動でメガネ型のオーディオデバイスからガイダンスが始まります。

前にすすむときも「音(おと)のする方向に進んでください」というガイダンスに沿って歩くだけ。

初めての使用でも右左どちらに進むべきかが直感でわかるし、ナレーションも聞きとりやすいなめらかな音声でした。

 

首からさげているスマートフォンと、そこに写された画面の写真。画面にはスマホのカメラを使うときのように対象ぶつが映し出されているほか、しかくいエリアの図が表示されています
スマートフォンに映った四角のエリアに移動すると、ナレーションが流れる仕組み

 

ガイドに沿って向かった先は、壁にある立体の折れ線グラフ(おれせんグラフ)を手で触れて体感する展示。おもに時系列などの連続的変化を捉えるときに使用するグラフですが、書いたり見たりすることはあってもふれるのは今回が初めてでした。

しかもわたしの場合、グラフをみても「ふーん、そうなんだ」と、とくに印象に残りづらい。しかし視覚に頼らないなかでグラフをさわってみると、急に上がったり、細かく波打ったりという変化が感覚的にわかるのが新鮮でした。

 

グラフの展示に近づいたときの写真。おれせんグラフそのものが大きく、グラフの線がつかめるくらいうきでています
グラフの写真

 

そしてこのグラフ、実際にはグラフそのものが大人の身長ぶんくらいある大きな展示。両手をつかってグラフを「つかむ」というほうが正しいかもしれません。

グラフに触れてかたちを把握しながら、ナレーションが丁寧に補足してくれるので、グラフの形状とその年代に起こったことを手と耳でスッと理解できるうえ、強く印象に残ります。

こうやって触れてみると「2000年代の気候変動、ヤバくない?」と、危機感を持たずにいられませんでした。目で見ただけでは、なかなかここまでの危機感は持てなかったかもしれません。情報の接しかたが異なるだけで受け取りかたまで変わるとは…。驚きました。

 

あさかわ館長がデバイスを身につけておれせんグラフにふれている様子の写真
浅川館長がデモをしている様子

 

今回のコンテンツは視覚障害者向けですが、視覚に障害がなくても五感をフルに使って楽しめる、新しいエンターテインメントになりそうです。今から実装が待ち遠しいですね。

 

「プラネタリー・クライシス」を含む新しい常設展示について紹介した記事は以下から

一歩先の未来を見てみない? 日本科学未来館の常設展示がリニューアル

 

日本科学未来館(にっぽんかがくみらいかん)

住所:〒135-0064 東京都江東区青海2丁目3番6号
開館時間:10時から17時(入館券の購入および受付は16時30分まで)
休館:火曜日(ただし、祝日や春夏冬休み期間などは開館の場合あり)、年末年始(12月28日から1月1日)
入館料:大人630円、18歳以下210円
電話番号:03-3570-9151(開館日の10時から17時)
URL:https://www.miraikan.jst.go.jp/

 

本文ここまで

 

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