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抹茶をせっしゅすると、睡眠のしつとにんちきのうが改善

抹茶の写真です。茶色いとうきに緑色の抹茶が入っています。茶の表面はうっすらと泡で覆われています

伊藤園と筑波大学発ベンチャーのえむしーびーあい(茨城県つくば市)はこのほど共同研究を実施し、抹茶を継続摂取すると、睡眠の質が向上するほか、認知機能が改善することをつきとめました。伊藤園はかねてお茶の価値を科学の目でとらえ、「人生100年時代を豊かに生きる」ための生活改善提案に向けた研究開発に取り組んでいます。今回の研究もその取り組みの一環としています。

 

抹茶の効果は

抹茶に含まれる成分である「テアニン」には、ストレス緩和、睡眠改善、さらにはワーキングメモリーの改善などの効果があるとされています。また、「カテキン」には、血中コレステロールの低下、たいしぼうの低下、さらにはワーキングメモリーの改善などの効果があると報告されています。これに加えて、抹茶の短期間の摂取効果として、ちゅうこうれいしゃの「ちゅういりょく」および「はんだんりょくの精度」を高めるとの報告もあります。

 

対象は60歳~85歳の高齢者対象は60歳から85歳の高齢者

今回の研究では抹茶の長期摂取の介入前後に、試験参加者への認知機能検査、けっちゅうバイオマーカー測定、血中動態分析、睡眠調査などを実施しました。抹茶の効果とバイオマーカーの変化を総合的に解析することを目的に、研究を行いました。

 

まず、60歳~85歳の高齢者を中心とした939人を募集しました。まず、60歳から85歳の高齢者を中心とした939人を募集しました。そのうち、認知症のぜんだんかいである軽度認知障害(MCI)およびプレクリニカル期にあたる主観的認知機能低下(SCD)と診断された99人の試験参加者を対象に、抹茶の長期摂取による認知機能などへの影響を、二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験により検証しました。抹茶群では抹茶カプセル(いちにちあたり抹茶2グラム摂取)を12カ月間摂取し、プラセボ群では着色コーンスターチを充填したカプセルを用いました。試験開始時から12カ月までの各評価項目の変化を混合効果モデルにより統計的に検証しました。

 

しんけいしんりがくてきけんさでは差がなし

睡眠の質をピッツバーグ睡眠質問票(ぴーえすきゅーあい)を用いて評価した結果、抹茶群でぴーえすきゅーあいスコアが低下し、睡眠の質が向上する傾向が示されました。また、認知機能に関しては、認知症やMCIのスクリーニングなどに用いられるしんけいしんりがくてきけんさでは抹茶群とプラセボ群の間に差はみられませんでした。しかし、コグニトラックス検査による認知機能の領域別の評価では、抹茶群はプラセボ群に比較して、表情認知テストで表される社会的認知、具体的には顔表情からの感情知覚の精度が有意に改善することを確認したとしています。

 

伊藤園は超高齢社会に生きる高齢者がより良い日常生活をおくる上で、「睡眠の質」や「社会的認知機能」を維持していくことは極めて重要であるとしています。伊藤園は今後、今回の研究で確認した抹茶の継続摂取による「睡眠の質の向上効果」「社会的認知機能の改善効果」の関連性やメカニズムの解明だけでなく、その他の検査内容の解析なども進めていきたいとしています。本文ここまで

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