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はんぽさきの、あたりまえを。手話が第一言語の「スターバックス サイニングストア」に行ってきた

アイスの抹茶ティーラテと、スターバックス サイニングストア限定の、エプロンモチーフのノートの写真

「スターバックス サイニングストア」をご存知でしょうか。2020年に東京・くにたちしにオープンした日本で初めての店舗「スターバックス コーヒー nonowaくにたちてん」。ここは聴覚に障害のあるパートナー(従業員)を中心に、主なコミュニケーション手段として手話を使用し、運営する店舗です。

 

世界で5店舗目の「サイニングストア」

手話を第一言語とする「サイニングストア」は、日本では2020年に世界でごごうてんめとしてオープン。しかしその前からマレーシアに2店舗、米国に1店舗、中国に1店舗、サイニングストアがあったそうです。とくにマレーシアの店舗は「世界一静かなスタバ」と言われているそう。そんな事前情報もあって、「きっとものすごく静かで、イヤホンもいらないんだろうな」と勝手に思っていました。

 

実際に行ってきました

その店舗は、JRくにたちえき改札を出てすぐ。本当に目の前なのですが、出口を間違えてうっかり反対側の改札を出てしまいました。

店舗に入ると、いつものスターバックスの光景が広がっています。よく見ると随所に手話をモチーフにしたインテリアなどがありますが、それ以外は、いい意味で特別感のない店舗。周りのお客さんも仕事をしている人もいれば談笑している人もおり、ほかのスターバックスの店舗とほとんど変わりません。正直、「いつものスタバと同じじゃん」と思いました。ここであえてかこけいで書いたのは、続きがあるから。

 

日本でいちばんやさしいスタバ…かもしれない

席を確保して、ドリンクを注文するためレジへと向かいます。静かなのは、お客ではなくパートナーと呼ばれる店員さんでした。レジではちょうしゃのパートナーが対応してくれましたが、随所にすごく自然に手話が混ざっています。レシートを見ると、一番下に呼び出し番号が書いてありました。これ、ほかのスターバックス店舗では見かけません。

呼び出し番号があるレシートの写真。他の店舗のレシートにはない、呼びだし番号が書かれています
スターバックス サイニングストアのレシート

そしてドリンクを待っているときに、最も「ほかとは違う」光景が。会計を終えてドリンクができあがるのを待つあいだ、これから休憩に入るパートナーがドリンクを注文していました。そのとき、すごくナチュラルに、ドリンクを作る聴覚障害をもつパートナーに手話で話しかけていたんです。休憩中のほかのパートナーとも普通に手話で会話をしています。レジ内でパートナー同士がすれ違うとき「ちょっとうしろ、通るよ」の合図も手話。「ありがとう、おつかれさま」も手話。店舗の様子を見ているだけでは、パートナーの誰が聴覚障害者で、誰がちょうしゃかわかりません。

 

よく見ると、お客さんもパートナーからドリンクを受け取るとき、左手の甲に縦にした右手をつけて垂直に上げています。手話で「ありがとう」と話していました。誰からも強制されることなく、それはそれは、とても自然に。「手話が第一言語」とうたう意味が、この一瞬でわかりました。

 

実は数カ月前に映画『コーダ あいのうた』を観たのですが、そのなかで何度もみた、すごく流暢な手話。まるで映画の世界に飛び込んだような光景が目の前で繰り広げられていました。やさしい店舗。このお店にはこの言葉がぴったりだと思いました。

店舗内の写真。店舗内、ドリンクを受け取るカウンター付近にはハンドサインが表示されている
ドリンクを受け取るカウンター

 

私自身も、学生時代に病院内のスターバックスでアルバイトをしていました。今となっては病院にカフェチェーンがあることも珍しくないと思います。

しかし私が働いていた十数年前はまだ、めずらしさが先行していたし「えっ、病院?」と周りから驚かれることが多かったのも事実です。それぐらい、先進的な取り組みを平然と行う企業姿勢も好きでした。実際に4年働きましたが、あの空間のなかで得たものは大きかったし、あの経験が今の私をつくっているといっても過言ではありません。

 

そんな個人的な思いもあって、「スターバックス サイニングストア」は気になっていました。珍しいとか特別な空間ではなく、近い将来に当たり前になる空間を、少しだけ早く展開しているだけなのでしょう。飾らない企業姿勢は今も昔も変わっていないようです。

少し前まで店員さんとして働いていた人が、周りのパートナーにものすごく早い手話で挨拶をして、ニコニコ帰っていきました。

今日私が覚えたのは、片方の手で握りこぶしをつくり、もう片方の手首から肘の間を2度、軽く叩く「おつかれさま」という手話。10年後はこの光景も当たり前になるんだろうな、そうあってほしい。そんなことを思いながら店をあとにしました。

本文ここまで

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