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アリさんとたわむれ10じかん…タンデムで旅をする全盲の山ちゃんが、それでも旅を続ける理由

すわって海をみつめる、旅人の山本さんのうしろすがたの写真。後ろ姿でもチャームポイントのながいヒゲはばっちりうつっています

全盲のヒッチライダー、山本祐介(やまもとゆうすけ)さん。

2025年3月から4月にかけておこなったクラウドファンディングでは150万円を達成し、5月には東京から2人乗りのタンデム自転車(以下、タンデム)で北海道を目指して北上していました。

前後に人が乗って2人でペダルを漕いで進むため、前に乗って「あいこぎ」してくれる人をヒッチハイクのように探しながら旅をしています。

日々投稿されるSNSから、波乱万丈でありつつとても充実した日々を送っていらっしゃる様子が伝わってきます。そんな山本さんに旅の前半についてお話をうかがいました。

 

東京からタンデムで福島まで

山本さん:2025年5月に東京都の台東区からタンデムに乗り、旅をスタートしました。5月26日に福島県いわき市に到着し、そこから1か月ほど現地に滞在しました。そこから福島県双葉郡まで行き、いったん東京に戻りました。

タンデムに乗っていたのは約20日、スタートから49日で一度東京に戻ってきた計算になります。

 

うみを背景に白いタンデムの横に立つ山本さんの写真。チャームポイントの長いヒゲが印象てきです
相棒のタンデムは購入し、メンテナンスをしながら旅をしていたそうです

 

旅先での過ごしかた

山本さん:はじめのうちは、宿泊は快活クラブを拠点にしていたのですが、東北に来てから気持ちを切り替えました。このままではだめだ、現地の人と交流をしようと思って。

インターネットで検索して問い合わせて地元の視覚障害者サポートグループや、そこからいろんな人たちとつながりました。そうして、いわきには約1か月滞在しました。

 

ボウルにハイッタごはんと笑顔のツーショットの山本さんの写真。いい笑顔です
ライブに紙芝居で出演

 

山本さん:わたしのX(旧Twitter)をフォローしてくださっていた友人経由で農園体験をさせてもらったり、地元の視覚障害者サポートグループの人に紹介してもらってライブで紙芝居を披露したら、ほかの場所でも披露することになったりと、数珠つなぎでつながっていきました。

 

大勢の子どもたちのまえで紙芝居を披露する山本さんの写真。図書館かどこかでしょうか、背景にわ本がたくさん並んでいます。大勢の子どもたちの後ろ姿が映っています。まえのめりで聞いている子もいて、表情はみえませんがきっと笑顔で鑑賞しているのでしょう
紙芝居をする山本さん

 

あいこぎ仲間やSNS投稿はどうしている?

山本さん:わたしの投稿するSNSは、タンデムをあいこぎしてくださったかたや現地でお会いしたかたに代理で投稿してもらっていることも多いです。写真は自撮りすることもありますし、撮ってもらっているものもあります。

あいこぎ仲間は知り合いだったり、SNSで反応してくれた人だったり、現地の人の紹介などで見つかったり。本当にいろんなかたに応援してもらっています。

 

旅で大活躍したグッズは…

山本さん:スマホを3回、4回フルで充電できるくらいの大容量のモバイルバッテリーは必須でした。それからタンデムのハンドル部分につけるボトルホルダーと、指先が出るタイプの手袋も大活躍です。手袋は片方なくしてしまったのですが、なくしてから一層、その大切さに気づきました。

そのほかにも、旅を始めたばかりのころ、宿が見つからなくて屋外や駅の自由通路で野宿していたときに、プラカードがわりにしていたダンボールとホッカイロも重宝しました。5月はまだ寒かったのでとても助かりましたね。

 

ダンボールに「自転車旅挑戦中」と手書きの文字で書かれたものを山本さんが持っている写真
写真はXから。次回の旅ではダンボールではなくラミネートしたカードになっています

 

この旅で、新機能のモニターとしてあしらせを使用しています。

 

山本さんがモニターしている、あしらせの新機能をつかって移動した経路。表示されたマップのうえにそのひ、自転車で移動した場所が線で結ばれています。このひわいちにちで成田からやちまたまですすんでいます
この新機能の正式リリースは未定とのこと(Ashirase(あしらせ)提供)

 

1枚あれば繰り返し使える、デジタル名刺のプレーリーカードも大活躍しています。

デジタル名刺 「プレーリーカード」で名刺切れとさよなら!

 

人も宿も見つからず、野宿も経験

山本さん:旅をはじめたばかりの頃、千葉県の八街市(やちまたし)で4日過ごしました。1日目はホテル、2日目は民家に泊めていただいたのですが、そのあと3日目、4日目は宿が見つからず野宿も経験しました。

旅をはじめて10日目。スマホの充電が10%台、モバイルバッテリーもからっぽ、夜中に差し入れしてもらったビスコが朝ごはんになったり、駅のロータリーの地べたでアリさんと10時間戯れていた様子もXで投稿したのですが、それは八街市(やちまたし)でのことでした。なかなかのピンチでしたね。

 

山本さんのXの投稿のスクリーンショット。「やちまたえきみなみぐちロータリーのじべたでアリさんと戯れること10じかん。高校生がさしいれしてくれました!ありがとう。大事にいただきます」とテキストがかかれており、じべたにおかれたカロリーメイト、ペットボトルのみず、ウィダーインゼリーがひとつずつと、ダンボール、ハクジョウ、タンデムのタイヤらしきものもうつりこんでいます
山本さんのXのスクリーンショット

 

でもつらいことばかりではなくて、数日野宿していたとき、同じ人が声をかけてくれたり、見知らぬ人が差し入れしてくれたり。複数回、声をかけてくれた女子高校生が近所で開催されているラーメンフェスに連れて行ってくれ、そこでも出会いがあったりしました。

それから、野宿していたところの近くに駐輪場(ちゅうりんじょう)があって、そこがバスの運転手さんたちの通り道になっていたらしくて。運転手さんが「まだ見つからないの?」と声をかけてくれたりもしましたね。彼らのあいだでも話題になっていたようです。

4日目はわたしのXを見ていたひとりがタンデムを漕ぎに来てくれて次の場所へ進むことができました。八街市(やちまたし)はピンチも経験したけれど、人の温かさにも触れられて、今回の旅のなかでも印象に残っています。

 

山本さんの旅の原動力になっているもの

山本さん:紙芝居のなかにも描いているのですが、SNSなどでつながっていたり、わたしの投稿に反応してくれる人もいて。ひとりぼっちでも、孤独ではない感覚があるんです。それが旅を続ける原動力になっているのかもしれません。

 

やちまたし最後の夜でひらいてもらったという、送別会の様子の写真。山本さんのまわりに、6名の笑顔の人々がうつりこんでいます
八街市(やちまたし)最後の夜の送別会の様子。集まったみんな笑顔です

 

7月21日より、福島県での旅を再開している山本さん。まだまだ旅の途中です。旅の様子はX(旧Twitter)から。

福島県内をあいこぎしてくれる人も募集しているそうなので、われこそは!という人は山本さんまでご連絡を!

 

山本さんのXのURLは以下から

x.com/yama_the_blind?s=21&t=BH_Bn7evYIXTW8_wTxHGqQ

 

InstagramのURLは以下から

https://www.instagram.com/yama_the_blind?igsh=YmN3ZndlaDE4dDYx&utm_source=qr

 

※記事内で使用している写真は、山本さんから許可をいただきSNSからいただいたものです

 

本文ここまで

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