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雨女、最強の晴れオンナにエスコートされ浅草寺をゆく当たるもハッケ当たらぬもハッケ!?

夜の浅草寺雷門横と遠くにみえるスカイツリーの写真。漆黒の夜の中、雷門の朱色と青白く浮かび上がるスカイツリー。このコントラストが本当に美しい

10月の代表的な和名「神無月(かんなづき)」の由来は、日本じゅうの神々が縁結びの相談をするため島根県の出雲大社(いずもおおやしろ)に集まり、各地の神様がいなくなる月という意味からきています。

対照的に、神様が集まる出雲地方では10月は「神在月(かみありづき)」と呼ばれているのですよ。

山陰地方(さんいんちほう)には良い温泉や美味しい地酒があり、今頃、神様たちも縁結び会議の合間に、温泉と海の幸(うみのさち)を肴にお酒を楽しまれているかもしれませんね。

そんな10月のある日、車いすユーザーのわたしは初めて日本有数の観光スポットである「浅草寺(せんそうじ)」にお邪魔してきました。

浅草寺の総門である「雷門の大提灯」の写真。高さ3.9メートル、幅3.3メートル、重さ700グラムの赤い大提灯に黒字で「雷門」と書かれています
浅草寺「雷門の大提灯」

 

今回はその体験を踏まえ、車いすやベビーカーであっても、より浅草寺を楽しむヒントをお届けできたら嬉しいなと思います。

 

わたし雨女です…

車いすユーザーが外出する際、気にすることの一つはお天気です。そういうと「それは、車いすに限ったことではないよ、誰だって雨に濡れたくない」と返されるかもしれませんね。

そう、濡れたくないのです、人間も電動車いすの「バッテリー」も!!

わたしのように電動車いすを使用している場合、濡れてしまうとバッテリーが故障するリスクが高く、何日も前から当日の降水確率チェックは欠かせません。まさに、天気一つに一喜一憂をしているのです。

そんな晴れをこよなく愛するわたしですが、実は笑えるほどの「雨女」なのです。

ある時は、目的地までかなりの威力の雨雲を連れてドライブし、一緒にいた友人に「さすが雨女だね」と苦笑いされ、私の雨女っぷりを知っている登山が好きな友人には「山登りをする日には同じ方向に出かけないでね」と冗談交じりにからかわれたこともあります。いや、もしかしたら本気だったのかも!?

だから今回の浅草寺散策も天気を心配していたのですが、今回のエスコート役のエリーさんは浅草に詳しいうえ、台風にも打ち勝ったという輝かしい過去を持つ最強の「晴れオンナ」。

彼女のおかげで数時間前までふっていた雨が嘘のようにやみました。

その瞬間私は、勝負の日はてるてる坊主ではなくエリーさんにお願いしようと心に誓ったのです…。

 

雨女、最強の晴れオンナにエスコートされ浅草寺をゆく

ここで、ちょっとした豆知識。

浅草寺のご本尊である観音像は、推古天皇時代に漁師の兄弟が隅田川(すみだがわ)から引き揚げたそうです。

観音像は兄弟の手によって草ぶきの堂にまつられていましたが、のちに地元の名士により寺が建てられ、そこにまつられるようになりました。それが浅草寺の起源と言われています。

そんな浅草寺とその周辺をエリーさんのガイドのもと、昼と夜の両方で散策してみました。いわゆる二度おいしいってやつです。

「この風景はテレビで見たことある!」など、生まれも育ちも地方のわたしには、目に映る景色のすべてが新鮮でキョロキョロとしてしまいました。

表参道(おもてさんどう)横には様々なお店もあり、おもちゃ箱をひっくり返したような和の華やかさがありました。

昼の浅草寺おもてさんどう。かなりの参拝者がいて、大変賑わっており、海外の人も多いです。参道横には様々なお店が混在しています
昼の浅草寺表参道(おもてさんどう)

 

あくまでもわたし個人の感想ですが、昼と夜、浅草寺周辺と境内の混雑を比較してみると、昼間は参拝者が大変多く、すれ違うのもひと苦労な印象。さすがは日本有数の観光地だと思いました。

実際にベビーカーを押している人もいたので通れなくはありません。

けれど、ゆっくりと気兼ねなく雰囲気も楽しむなら人の少ない夜か早朝がおすすめかもしれませんね。

わたしたちが夜の参拝をしたのは21時ごろ。仲見世の店舗は閉店していましたが、昼よりも道が広く感じてゆったりとした時間が流れていましたよ。

夜の浅草寺おもてさんどう。歩く人はまばらです。店舗のシャッターわおりていますが参道はライトアップされ、その光が厳かな雰囲気を醸し出しています
夜の浅草寺表参道(おもてさんどう)

 

車いすユーザーの外出先での心配事3点セット!?天気と段差とトイレ問題

車いすユーザーが外出先で心配事の一例が、冒頭でもお伝えした天気、段差と、トイレではないでしょうか。

天気は神のみぞ知るですが、段差とトイレは多くのかたに車いすユーザーの現状を知っていただけるとうれしいなと。

いつでも、晴天のような晴れやかな気持ちで外出を楽しみたいですね!

 

神社仏閣につきものの段差が気になる

車いすユーザーのわたしが今回の参拝で気になっていたことの一つが、境内内の段差でした。

以前の記事でも書きましたが、車いすは道に転がっている小石一つにもタイヤがとられてしまいます。

たとえ、1センチ程度の段差でもぶつかるとかなりの衝撃をうけます。

神社仏閣は、行きたい気持ちはあるものの砂利や段差、階段といったものが多く、断念することがあります。

やむにやまれぬ場合は、代理で付き添いの人のみ階段を上がり、お賽銭(おさいせん)を収めたのち鈴が鳴らされたのを合図に、わたしが階段下で参拝するという方法をとったこともあります。

神様には大変失礼かと思ったのですが、家族の安寧等をどうしても祈願したいという理由からその方法をとりました。

 

浅草寺境内は全体的に段差のない石畳になっているので、車いすやベビーカーも走行しやすいのではないかと思います。

また、本堂前には十数段の大きな階段がありますが、むかって左側に「優先エレベーター」もあり、階段に不安がある人でも参拝しやすくなっていました。段差解消に取り組んでくださっているのですね。

ただ、使用可能な時間が限られており、朝から18時ごろまでのようですので、お気を付けください。

また、エレベーター内は程よい広さですが、介助のかたなしで使用される場合は、他の施設のエレベーター同様、安全には気をつけて使用されますように…。

浅草寺境内の横に併設されたエレベーターへの誘導看板の写真。しゅいんじょと黒字で大きく書かれ、方向を示す赤の矢印も添えられている看板です。その少し下には車いすマークの看板も設置されています
浅草寺境内の横に併設されているエレベーターは「朱印所(しゅいんじょ)」と書いてある看板が目印です

 

エレベーターをおり境内に向かう場所にあるスロープの写真。傾斜は緩やかで車いすユーザーやベビーカーなどに配慮されたつくりになっています
エレベーターを降りて境内に向かうところにもスロープがありました。車いすユーザーやベビーカーなども見かけました

 

このお心遣いにほっこりです

浅草寺を前に右にすすんでみると、「浅草神社(あさくさじんじゃ)」という神社が静かにたたずんでいました。

お寺は「仏教」で神社は「神道(しんとう)」の宗教施設なので、浅草寺と浅草神社は別の施設になります。

しかし、ここにまつられているのは、先ほど浅草寺の豆知識でご紹介した観音像を見つけた漁師の兄弟と寺を建立した地元の名士なので、深い繋がりがあります。

 

話を元に戻しましょう。

この浅草神社には2段の階段がありましたが、その横に、なんとスロープがありました!!

 

昼の「浅草神社」の写真。大きなさいせんばこの前に階段が2段あります。その横には緩やかな傾斜のスロープがあり、車いすやベビーカーなどでも参拝しやすくなっています
昼の「浅草神社」

 

きっと、参拝しやすいようにとの要望にこたえてくださったのでしょう。その温かなお心遣いに、本当にうれしくなりました。

ちなみにおみくじエリアも同じ敷地内の段差のないところにあり、一部ではキャッシュレスで引けるものもありました。おみくじにもキャッシュレスの波が…!

お財布を出したり小銭を用意したりせずに済むのもうれしいですね。自分に合った参拝スタイルを選択しましょう。

 

また、おまもりの中には、毎月デザインが変わる「巫水引守(かんなぎみずひきまもり)」と呼ばれ、水引でブレスレットに仕立てたおまもりもあります。

10月はかわいらしい淡いピンクの秋桜(コスモス)でしたよ。数量に限りがあるので、購入したい人は月初めに行くのをおすすめします。

 

浅草神社のかんなぎみずひきまもりの写真。水引でブレスレットじたてに作られており、季節の花をモチーフに毎月デザインが変わる。10月は淡いピンクのコスモス。中央の花弁は黄色で、手首にまく部分は銀色
浅草神社「巫水引守(かんなぎみずひきまもり)」

 

この水引のおまもりは、自分へ買うのももちろん良いでしょうし、大切な人への贈り物にも喜ばれるのではないでしょうか。

 

車いすユーザがかかえる永遠の「あの問題」も気になる

車いすユーザーが外出において、必ず心配するのがトイレです。
浅草寺には、北側と南側に多目的トイレがありました。どちらにも車いす用手すり、おむつ替えシート、ベビーチェアが備えられています。

ただし、オストメイト設備はありません。また、利用可能時間は6時から22時までとなっています。

 

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