英語で「視覚障害者」はどう表現する?アメリカ在住の専門家に聞いてみた英語で「視覚障害者」はどう表現する?アメリカ在住の専門家に聞いてみた

先日、自社の資料を英訳する必要があった際、英語で「視覚障害者」を表す表現に迷うことがありました。
日本語であればすぐ出てくるのに、英語となるといくつか候補は思い浮かぶものの、それらのニュアンスの違いがわからずにいました。
その時は周囲の助けを借りて乗り切れましたが、同じような経験がある人、これから同じような場面に遭遇する人もいるでしょう。
そこで今回はアメリカ、サンディエゴで現地ユーザー調査や北米のマーケットリサーチなどを展開しているグローバルデザイン・リサーチエージェンシー、UXPRESS(ユーエックスプレス)代表の井出 健太郎さんにお話を伺いました。
井出 健太郎さん
米国ソニーでUX(ユーザーエクスペリエンス)や CX(カスタマーエクスペリエンス)チームのリーダーを務めたのち、日本企業の海外進出をサポートするため2015年UXPRESS(ユーエックスプレス)を立ち上げる。
同社では「早く・安く・フレキシブルに」デザイン・リサーチを提供できるように「アジャイルUXアプローチ」を提唱し、サポートしている企業はこの10年間で60社にもおよぶ。
UXPRESSのURLは以下から
日本語でも混同されがちな「全盲」と「弱視」
井出さんから視覚障害者の英語表現について伺う前に、まずは日本語の視覚障害者、とくに全盲と弱視の違いを確認しておきましょう。
日本語でも全盲と弱視が混同されて認識されていることがあります。
全盲は医学的には光も感じない状態を指します。弱視はロービジョンとも呼ばれ、視覚情報をある程度使える状態ではあるものの、見えにくさやまぶしさ、みえる範囲が狭くなるなど、日常生活に不自由をきたしている状態を指します。視覚障害者の多くを占めているのがロービジョンといわれています。

BlindとVisually impairedの違い
全盲と弱視の違いをおさらいしたところで、いよいよ視覚障害者をあらわす英語表現について伺っていきます。
あくまでわたし自身の肌感ですが、少し前までは視覚障害者を表す表現としてBlindという表現をよく見かけました。しかしここしばらく海外の展示会に参加したり、英語の資料を読んでいるとVisually impairedという表現のほうが一般的になってきているような気がします。このふたつの表現にはどのような違いがあるのでしょうか。
井出さん:現代風の表現、という時事的な側面もありますが、BlindとVisually impairedはそもそも示すものが異なっています。
Blindは基本的に全盲の人を指すことが多く、Visually impairedは弱視、全盲を含めた広義での視覚障害者を指しています。加えて英語圏のなかでも、イギリスとアメリカではその文化の違いから好まれる表現が変わってきたりもします。
時と場合(ときとばあい)によっても表現が異なってくるため、これらの英語での表記や、英語圏の当事者、関係者と関わる場合はこの違いを理解したうえで使い分けた方がよいでしょう。
とはいえ、この表現も2025年現在のもの。数年後の未来にはまた異なる表現が当たり前になっているかもしれません。つねにアンテナを張っていたいですね。
参考URLは以下から
https://businessdisabilityforum.org.uk/about-us/media-centre/disability-smart-language/
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