推しへの熱量は減量につながる?ガチ機材で実験してみたらおしへの熱量は減量につながる?ガチ機材で実験してみたら

覚えているでしょうか。あの夏のことを。
カレー2皿ぶんの熱量を推し(おし)にそそいだあの日。
汗だくになりながらペンライトを振り、公演終了後にビールのジョッキを持つ手がプルプルと震えたあの瞬間。
あのときわたしは確信しました。「これは痩せるに違いない」と。
推し(おし)の曲をBGMに、ノリノリで書き上げた記事はたくさんの人に届き、「やっぱりか」「わたしもそう思っていた」などたくさんのコメントをいただきました。
そして、あの人にも届いてしまったのです。

そう、ペンライトにつけた活動量計の製造元であり、親会社でもあるタニタの社長です。よりによって本社の社長に、です。
「タニタの元広報なのに、どうしてメーカー推奨の使用方法を守っていないんだ? 活動量計は胸に近い位置で使うようにと推奨しているでしょう?」そう言われると思っていました。
「推奨されているとおりに活動量計を首から下げたら、今回いちばん動きの大きい腕に近い位置とはかけ離れた数値が出ることが予測されました。そのため推奨される位置とは異なる場所になることは理解しつつ、より精度の高い数値を計測することを優先してペンライトにつけました。」
元広報につき、そんな脳内想定Q&Aをしっかり準備し、心して本社社長の前へ。
ドキドキしながらその瞬間を迎えました。そこで社長が発したひとことは…
「やるなら、もっとちゃんとやりなさい。ちゃんとした機材を使ってしっかり数値をとりなさい」
なんということでしょう。
推し(おし)がいる社長を上司に持つと、こんなミラクルが起きるのですね。

それどころか「どれがいい?」と自腹で大量購入したという自社のコラボ歩数計を取り出し「この歩数計のイラストは描き下ろし…」と魅力を語りはじめたかと思えば、最終的に写真のゲーム機器コラボの新作の温湿度計(おんしつどけい)に落ち着き、「これも必要?」とタミヤのロゴが描かれたネクタイをとりだし、着替えに行きました。
社長のネックストラップについているカードキャプターさくらのチャームだけで十分だと思っていたのですが…。
ちなみに、「もっとちゃんとやりなさい」という言葉、じつは2回目です。1回目は、このウェブサイトをつくるとき。まさかここで2回目を聞くとは。
ガチ機材を導入
そんなわけで、クルマ一台買えるくらいの専門の機材を導入しました。どうしよう、どんどん話が大きくなっていっています。
この機材を使ってライブ中のわたしのいろんな数値を計測するわけですが、自主的におこなった前回とは異なり、今回は計測に使った活動量計の内部をつくるタニタの専門の部署の人たちまでセットです。
こんなことになるとは夢にも思っていませんでした。ガチです。
ついでに話すとこの会社、ペンライト所持率が異様に高いんです。なぜ。
オタクに優しい会社、それがタニタグループです。
配信ライブで実験
ということで、別分野のオタクの同僚おすすめのカラオケボックスに行き、配信ライブを見ながら2時間、推し活(おしかつ)を楽しむことになりました。
せっかくだから100インチある巨大モニターもオプションでつけちゃう。ほら、臨場感って大事じゃないですか。
さらに臨場感を出すためにオーディエンスも必要ですよね。ということで解析班のみなさんにも一緒にペンライトを振ってもらうことにしました。
痩せそうな実感があるのとないのとではその後の熱量が変わりますから。またの名前を布教活動といいますが。

「ペンライトってどういうのを買えばいいの?」と周囲に聞いていた昨年。気がつけば人に貸しても余るくらいの本数になっていました。
買うのは1公演で1本までという自分とのルールは守っているのに、ペンライトだけでなくリングライトまで。そろそろ手が足りなくなりそうです。
昨年はライブで遠征なんて絶対しないと思っていたのに、今年だけですでに2回遠征しています。おかしいな。

計測スタート
見るからにガチめな計測装置をからだじゅうにつけて、計測開始です。
0曲目の音量があがり、1曲目がはじまる瞬間の高鳴る鼓動、計測機器をつけなくてもわかります。でもこれを数字にしたかったんです。
この配信ライブが収録されたのは千秋楽。このイベント最後の公演です。
今年のライブには東京、大阪あわせて6公演に参加しました。抽選にはすべて落ち、前日深夜までのリセールに張りついてもどうしてもゲットできなかったチケットが千秋楽。
会場全体がまとまって、いちばん盛り上がる千秋楽。やっぱりいいな、千秋楽。
7回目となるこの配信ライブがわたしにとっての千秋楽です。このときのために配信は見ずに我慢していたわたしを誰か、褒めてほしい。

推し(おし)がいるってやっぱり最高だ。特に自分の好きな曲が始まる瞬間は言葉になりません。
どうして、目の前に広がる画面のペンライトの海にわたしがいないのでしょう。来年こそ。
感動と悔しさでときおり涙が出そうになりながら、ペンライトを振り続けました。
一人じゃ恥ずかしいなんて言っていたのに、気がつけばしっかり振り付けとコールまでしていました。
もしかしたらわたし、オタクの階段をのぼりはじめているのかもしれません。
気がつけば3人いる解析班のひとりは30分ほどで座り込んでいました。あと1時間30分あるのに。
ひとりはわたしと一緒に2時間、推し(おし)きりました。満面の笑みで「なんかたのしかった!」とニコニコしています。さすがカイコフレンズ。大先輩ですが、同じにおいを感じます。
もうひとりの若手はリアルタイムでわたしの計測結果をみながら持参したペンライトを振るという二刀流を披露。ときおりモニターで数値をみながら笑みを浮かべていました。
あっというまに公演が終了し、二刀流の若手が笑いながら尋ねてきました。
「この曲、もしかして好きな曲ですか?」と。どうやら心のなかまで測られていたらしい。

「推し(おし)への熱量は減量につながる」のか
後日、わたしのライブ中のあらゆる数値をベースに、解析班3人による「ライブでペンライトを2時間振り続けたときのエネルギー消費について」という社内会議が開かれたそうです。そこまでされるとなんだか恥ずかしい。
ライブの途中からわたしのエネルギー消費に変化があり、脂肪を燃焼しはじめたことがわかったそうです。例えるなら、ライブでペンライトを振っていたあの時間、ジョギングをした感じに近いエネルギー消費が起きていたそう。
つまり、「ライブでペンライトを振り続けたら減量につながるのでは?」という仮説が数値で立証されたということです。
もちろんアーティストやライブの種類によっても、曲のジャンルやテイストによってもペンライトの振り方は変わりますし、あくまでこれはわたし自身、n=1の結果でしかなく、広義に証明するためにはさらなる実験が必要でしょう。
それでもわたしの小さな疑問と仮説が1年の時を経て、多くの人の協力を得て、それが数値で証明されたこと、「推し(おし)への熱量が結果的に自分の減量につながるかもしれない」ことが断片的に証明されました。なんて素敵なことなのでしょう。
これからよりいっそう、ライブでの推し活(おしかつ)に精力的に取り組めそうです。
グラフにもくっきりと
解析班から見せてもらった自分の結果のグラフに、思わず笑ってしまいました。
だってわたしの好きな曲のところが、右肩あがりどころか「ほぼ直線」で数値がはね上がっていたのだから。

タニタでは推し(おし)とともに健康づくりに取り組めるよう、コンテンツとのコラボレーションを展開しています。今回はグループ会社として、異なるアプローチで推し活(おしかつ)の効果を数値化しました。
推し(おし)がいるって、最高だ。
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