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宇宙への妄想旅行。げつめんでブーメランを飛ばしてみたら

げつめんでブーメランが飛んでいる様子をうつした画像。とおくにわ地球もみえます。ジェミニにつくってもらいましたが、合成画像のようでなかなかカオスな画像になりました。なおブーメランはちゃいろで、なぜか太陽のようなもようがワンポイントでハイっています。このもようわオーダーしていないのでジェミニのサービスということでしょうか。それにしてもなにもいわれなければ木製のハンガーが宇宙をとんでいるような画像にもみえるので不思議です

「宇宙ってロマンがあるよね」と、同僚とランチしながら話していた夏の午後。

「月に旅行するなら何を持っていく?」という話にはじまり「月に行けば体重が軽くなるんだよね」、とか「宇宙でスキンケアってできるのかな、保湿どうしたらいいのだろう」とか。

 

「そういえば、月に行けば体重が6分の1(ろくぶんのいち)になるけど、速度ってどうなるの?」という話から「月でブーメランを飛ばしたらいつ返ってくるのか」という話に。

「3日くらいしたら戻ってくるのでは?」「そこまでいかずとも、忘れたころに戻ってくるのは間違いなさそう。じゃあ実験するためにブーメランも持っていこうか」と、いつできるのかわからない宇宙旅行の持ち物に花を咲かせながら食べる焼き魚定食は最高でした。

ちなみにアルコールはまったく入っていません。これがわたしたちの女子会です。

 

同僚からいきなり数式が届く

それから数時間。いきなり彼女から「計算した!」と連絡がありました。

え、計算した? 詳しく聞いてみると、ランチのあと、気になりすぎてずっと計算していたそうです。

さすが、チャート式の日めくりカレンダーを笑顔で見つめていただけあります。

 

難解すぎてめくれない?!チャート式「今日の1問:数学 日めくりカレンダー」の記事は以下から

難解すぎてめくれない?!チャート式「今日の1問:数学 日めくりカレンダー」

 

同僚によると、「ランチのときは飛距離と滞空時間(たいくうじかん)、速度のことしか考えていなかったので“空気の無いところでは投げても飛びっぱなしで戻って来ない”ということになりますが、もし月でちゃんと戻ってくるブーメランを投げるなら、“空気を満たしたドームのなかで”ということになります。その前提のうえで、いろいろ計算してみました」とのこと。

ほかにも考慮すべき要素はあるかもしれません。専門のかたがみたらツッコミどころがある可能性もありますが、宇宙初心者のためその点はご愛嬌で。

 

まずは地球での記録を見てみましょう

今回、参考にしたのは実在する地球上(ちきゅうじょう)での「ブーメランの滞空時間(たいくうじかん)最長記録」と「ブーメラン飛行距離の最長記録」です。

ブーメランでこのような記録があったことにも驚きですが、それを短時間で探し出して数式から算出した彼女のパッションには頭があがりません。

 

地球でのブーメランの滞空時間(たいくうじかん)最長記録

地球でのブーメランの滞空時間(たいくうじかん)最長記録は、Billy Brazelton 氏が2010年のローマ大会で樹立した380.59秒(約6分20秒)

 

地球でのブーメラン飛行距離の最長記録

地球でのブーメラン飛行距離の最長記録は、Manuel Schütz氏が1999年のクローテン大会で出した238メートル(780フィート)

 

月面に人類が居住できる空気を満たしたドームがあると仮定し、その月面ドームのなかでブーメランを投げたときのブーメランが飛んだ距離と、ブーメランが空中にいる時間から「月でブーメランを飛ばしたらどれくらいの時間で戻ってくるのか」を算出しました。

 

げつめんでブーメランが勢いよく飛んでいる様子をうつした画像。でもやっぱり木製のハンガーが飛んでいるようにみえます
Gemini(ジェミニ)につくってもらいました

 

計算式

地球上の記録をチェックしたところで、次は月に目を向けてみましょう。

v(ブイ)を投げ出し速度、θ(シータ)を投げ出し角度、Ge(ジィー)を地球上の重力、Gm(ジーエム)を月面での重力の記号として計算してみます。

なお、数式の読み上げかたがわからないわたしのような人もいるかもしれないので、よみかたも書いてもらいました。

 

1:飛距離(水平射程)R(アール)の計算

Re(アールイー)を地球での飛距離、Rm(アールエム)を月面(げつめん)での飛距離とします。

地球上(ちきゅうじょう)での射程は、以下の数式で求められます。

 

Re=(v^2*sin2θ)/Ge

(よみかた)アールイー=(ブイにじょうかけるサイン2シータ)わるジーイー

 

また、月面(げつめん)では重力加速度Gm≒1/6Ge

(よみかた)ジーエムニアルイコール6ぶんの1ジーイー

 

なので、以下となります。

 

Rm=(v^2*sin2θ)/Gm=(v^2*sin2θ)/Ge/6

=6*Re

(よみかた)アールエム=(ブイにじょうかけるサイン2シータ)わるジーエム=(ブイにじょうかけるサイン2シータ)わるジーイーわる6=6かけるアールイー

 

つまり、同じ投げ出し速度vと角度θなら、理論上は地球の約6倍遠くまで飛ぶと考えられます。

 

2:滞空時間(たいくうじかん)Tの計算

Te(ティーイー)を地球での滞空時間(たいくうじかん)、Tm(ティーエム)を月での滞空時間(たいくうじかん)とします。

 

Tm=2 v*sinθ/Ge/6

=6*Te

(よみかた)ティーエム=2かけるブイかけるサインシータわるジーイーわる6=6かけるティーイー

 

つまり、落ちるまでの時間も6倍長くなる、という計算になります。

 

月でブーメランを飛ばしたらいつ返ってくる?

さきほどの式で考えると、月面(げつめん)では地球上(ちきゅうじょう)での記録の6倍の距離と6倍の時間、ブーメランが飛び続けることになります。

これをもとに、さきほどのふたりの記録をベースに算出してみます。

 

月でのブーメラン滞空時間(たいくうじかん)は約38分

Billy Brazelton氏が2010年のローマ大会で樹立したブーメランの滞空時間(たいくうじかん)最長記録 380.59秒 (約6分20秒)を6倍すると、月でのブーメラン滞空時間(たいくうじかん)は約38分となります。

 

月でのブーメラン飛行距離は1キロ728メートル

続いて、ブーメラン飛行距離を算出します。

Manuel Schütz氏が1999年のクローテン大会で出した238 メートル(780フィート)を6倍すると、月でのブーメラン飛行距離は1キロ728メートル(1,728メートル)となります。約2キロですね。

 

月でブーメランを飛ばすときの注意事項

3日後とまではいかずとも2キロ近くの距離を飛ぶことになるので、もはやマサイ族の人でもブーメランを肉眼で追うのは難しい距離と言えるでしょう。そしてそのまま40分近く戻ってこないとなると、もはや投げたことも忘れてしまいそうです。タイマーをかけておいたほうが無難かもしれません。

地球ではおなじみのブーメラン飛ばし、月でおこなったら大変なことになることがわかりました。もし連続して複数のブーメランを飛ばしたい場合は、飛ばす時間をブーメランに明記しておいたほうがよいかもしれません。

宇宙旅行への持ちものリストには「ブーメラン5本」と追記しておこうと思います。

 

いつつのカラフルなブーメランが月面を飛んでいる様子をうつした画像。なお、とおくにわ地球もみえます。いろいろとカオスな画像です
せっかくなので5本のブーメランが飛んでいる画像もつくってもらいました

 

本文ここまで

 

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